温かいもの

蒸すように暑くございました。
こんな日は、冷たい物ばかり召し上がってはございませんか?

アイスやジュースも良いですが、たまには温かいものも良うございますよ。

「ねぇ。マイコ。昔から暑い時には温かい物が良いなんて言うけど、どうしてかしら?」

「それよりもお母様。そろそろ帰った方が良いんじゃないかしら?」

「あら?どうして?」

「お父様が寂しがるわよ」

「それはいけないわね。今夜にでも、一度戻ってみるわ。それより、さっきのはどうしてかしら?」

「う〜ん。わたしも分からないわね」

「菅は知ってるかしら?」

「菅なら知ってるかも」

「「……。」」

## 塩スープのそうめん
大根…半分
卵…1個
鶏ガラスープの素…大さじ3

1.大根を空のお鍋におろします

2.大根がひたひたになるくらいに水をはります

3.お鍋を火にかけてあぶくがたったところで、鶏ガラスープの素を加えます

4.一度煮立ったら、火を止めて溶き卵を回し入れます

5.湯がいたそうめんを腕に盛り、上からスープをかけたら完成

##

「暑い時には温かい物…でございますか?」

「うん。そうなの。菅なら知ってるかなって思ったのだけど」

買い物から帰った私を待っていたのは、マイコ先生のそんな質問でございました。

「その前に一息入れさせて下さい。何分、外は暑かったもので」

「ごめんなさい。それなら、わたしが淹れるわ。麦茶で良かったかしら?」

「はい。ありがとうございます」

「ヘェ〜。あのマイコがねぇ〜。変わるものね」

奥様は何やら意味あり気な微笑みを浮かべました。

思い返してみれば、お屋敷ではこのような事を一切されなかったお嬢様が、二人で暮らすようになり、お茶を出してくださったり、料理をしてみたりと、確かに変わられました。

「もうっ。良いじゃないのお母様」

「イヒヒヒヒ」

先程の話題はどこへやら。

「あぁ。そう言えば、暑い時に熱いもので、ございましたな」

「そうなのよ。何故かしら」

奥様は不思議そうに首をかしげております。

「それはですね。簡単に言いますと、冷たい物の飲み過ぎや食べ過ぎは、お腹をこわしてしまうからでございます」

「それは、分かるわよ」

少々、ヘソを曲げられてしまったお嬢様。

「原因としましては、冷える事によって、胃や腸の血流が悪くなります。そこへ、普通の食事をされると、胃腸の活動が弱まっていますので、消化不良となりまして胃腸に痛みが出たりするのでございます」

「なるほど」

「そう言う事だったのね」

納得されたようでございます。

とは言え、これを教えて下さったのは、奥様なんですがね。